うつ病のわたしからあなたへ 心レター

うつ病の療養から見えてきたこと、心の病を抱える方やご家族に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。特に、精神疾患での労災について、詳しく説明します。

うつ病で出会った本当の自分

こんにちは。あやです。

あっという間に8月が終わり、今日から9月ですね。

8月はお出かけイベントが多くて、ブログの更新が滞ってしまいました。

多いと言っても、通院以外の外出は3回だけ。

それでも、やっぱり体調管理が大変でした。

 

さて、今日はうつ病の療養の中で、「本当の自分」がわかってきたという話を

書こうと思います。

誤解のないようにお断りしておきますが、わたしはうつ病を美化したいわけじゃありません。

うつ病になんて、なりたくなかったと、今でも思っています。

それでも、うつ病になって、初めてわかった自分の姿というものがありました。

今日はそのことについて書こうと思います。

 

うつ病になる前、発症してからも働いていた間の自己イメージは、

「真面目」「がんばり屋」「根気がある」などでした。

悪くはないイメージですが、それでもわたしは自分が大嫌いでした。

一瞬前の自分すら嫌いなのです。過去の自分は、全て許せませんでした。

だから、前に向かって、ひたすら進むことしか考えませんでした。

 

休職して、立ち止ることになりましたが、最初は立ち止ることもできませんでした。

「きちんと休んで、半年後ぐらいには復帰しよう」と考えていました。

うつ病は少しでも外に出て運動したほうがいいなどと言われて、

無理して散歩したり、自転車に乗ったりしていました。

 

当たり前ですが、そんなことをしていては、「休養」になりません。

春から休職して、夏ごろに、深刻な希死念慮がわいてきました。

当時の主治医に「入院させますよ!」と脅されて、ようやく少し立ち止る気になりました。

 

わたしはどうしていつもがんばってしまうんだろう。

無理をしていることに、なぜ気づけないんだろう。

そんなことを考えました。

 

ゆっくり自分と向き合ってみると、「本当は嫌なのにやっていた」ことが

たくさんありました。

仕事の内容、職場の上司、仕事の量。

中でも、すごく嫌だったのは、わたしが文章得意なのを職場中が知っていたので、

本当ならライターを依頼するようなことをわたしだけが書かされていたこと。

他のコンテンツはライターに頼んでるんですよ。

でも、わたしの担当業務に関することは、「自分で書いて」と言われました。

ハッキリ言って、給料と別に原稿料払えよ!という話です。

自分の特別な能力をタダで使われるのは、本当に精神的苦痛でした。

 

ああ、あれもこれも、嫌だったんだ……。

もう嫌なことはやりたくない。やらなくてもいい。

うつ病ですべてを失ったような気分でいましたが、

本当の自分の気持ちはとり戻すことができました。

 

それからは、以前好きだったことを思い出してアニメを見たり、

音楽を聴いたり、少しずつ自分のかけらを集めていきました。

創作活動を再開したいと思ってはいましたが、

まだ頭が働かないから、きちんとした作品は作れません。

そのかわり、現状の自分で書ける作品をネットで公開して、

そのためのツイッターアカウントを作って、友達もできました。

 

わたしは本来、働き者ではなく、根っからの道楽者で、

もし多額の財産をもっていたりしたら、仕事なんかしなくても

美術館に行ったり映画を見たりして、良心の呵責もなくいられるタイプです。

そんな自分の姿を思い出しました。

 

そして、成育歴からくる認知の歪みも、認知行動療法で気づくことができました。

一番大きな気づきは、「自分を大事にしてもいい」ということです。

それまで、わたしは粗末に扱われる経験ばかりしてきたので、

自分を大切にすることを知らなかったのです。

それで、病気になるまで働いてしまったのです。

本当にバカだなあと思います。

こんな事態にならないと、自分を大切にするという基本的なことに

気づけなかったなんて。

 

でも、人にはそれぞれのタイミングがあります。

みんなはとっくに気づいているかもしれなくても、

わたしにはこのタイミングでしか気づけなかった。

そういうことだと思っています。

 

うつ病で本当の自分に出会う」なんて嘘臭い言い方ですが、

わたしにとっては、そういう体験でした。

今も、まだその体験は続いています。

 

軽症の方は、休めばすぐに回復しますが、

わたしのようにこじらせてしまった者にとっては、

うつ病は人生の大きな転機になるのだと思います。

 

客観的に見れば、どん底かもしれません。

病気で無職、財産なし、収入は障害年金、年齢も中年。

でも、自分の可能性を信じることができているので、

わたしはどん底だとは思っていません。

むしろ、働いているときや、大学院時代がどん底でした。

環境は悪く、恐怖に駆られて、心身ともにボロボロ。

 

今は、少なくとも、うつ病である自分を受け入れているし、

毎日小さな選択を重ねて、思い通りに生きていると感じられます。

今の願いは、とりあえず労災の審査請求が通ること!

激務でフラフラになっていたころより、よほど「健康的」だと思います。

 

皆さんはいかがですか?

自分を大事にしていますか?

うつ病から回復する基盤になるのが、「自分を大事に」だと思います。

どうか、自分を丁寧に扱ってあげてください。

 

 


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