うつ病のわたしからあなたへ 心レター

うつ病の療養から見えてきたこと、心の病を抱える方やご家族に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。特に、精神疾患での労災について、詳しく説明します。

うつ病と死にたい気持ち

こんにちは。あやです。

 

今日はうつ病と切っても切れない「死にたい気持ち」について書こうと思います。

意外とご存じない方が多いようですが、

この「死にたい気持ち」は「希死念慮」と言って、

うつ病の最も危険な症状です。

 

そう、症状なんです。

結論を言ってしまえば、その「死にたい気持ち」は

あなたの本心ではありません。うつ病の症状なのです。

今どんなに苦しくて、死にたい気持ちでいっぱいでも、

死ぬことしか考えられなくても、それはあなたの本心ではなく、

うつ病がそうさせているのです。

 

この希死念慮は、うつ病の底期には襲ってきません。

底期にいるときは、しんどくてしんどくて、横になっていることしかできません。

危険なのは、少しだけ回復してきたとき。

ある時、何の前触れもなく、「死のうかな」「そろそろ死んだほうがいいかも」と

いう気持ちが、ふわっとわき起こってきます。

 

あるいは、うつ病を自覚できず、精神科に行こうという考えが浮かばないとき。

毎日がつらくて、この先何もいいことが起きないと思えるとき。

そんなときも、「いっそ死んだほうが楽かも」という考えに

とりつかれることがあります。

わたしも病院に行く前はそんな気持ちで、

通勤電車を待つ駅のホームで毎日「今飛び込もうかな」と思っていました。

 

いずれにしても、この「死にたい気持ち」は、最も危険な症状です。

特に、人生で初めて「死にたい」と思ったときは、

自分でもびっくりして、この気持ちを真に受けてしまいます。

でも、今あなたが自殺を考えているとしても、それは本心ではありません。

あくまで!症状!なのです。

 

死にたい気持ちが症状であると認識できると、

いくらか気持ちが楽になります。

体調は悪くないのに、ふわっとした希死念慮が浮かんでも、

「ああ、また症状出てるな」と流せるようになります。

 

まずいのは、悪いことが重なったときです。

たとえば、わたしは昨年11月に入院するはめになりましたが、

それは強い希死念慮のせいでした。

あやうく本当に自殺を実行するところでした。

 

何がまずかったかといえば、

 

・パートナーとの関係が悪くなりケンカした

・そのせいでガクッと体調が悪くなり寝込んだ

・死にたいと「本気で」思った

 

こんなケースです。悪いことが重なって、正常な判断力を失っています。

具合が悪くて死にたくなっても、関係が悪くなったパートナーに言うこともできず、

一人で抱え込んでしまいました。

ちなみに、ケンカしてから自殺実行寸前まで、たったの4日間でした。

それ以前は、むしろうつ病は回復傾向にあったのに、

あっという間に転落したのです。

 

わたしが自殺を実行せず、命をとりとめたのは、

相談窓口に電話したからです。

それがきっかけで、すぐに受診を勧められ、入院の運びになりました。

 

だから、誰にも相談できず、一人で希死念慮と闘っている方には、

できればすぐに精神科やかかりつけのクリニックに行くことを勧めます。

次の受診日まで待つことはありません。緊急事態なので、

すぐに電話して予約を入れてください。

 

もし、病院に行くのをためらうなら、わたしのように相談窓口に電話してください。

各自治体に、相談窓口が設置されているはずです。

東京都なら、0570-087478(東京都自殺相談ダイヤル)があります。

 

もしくは、次のような窓口があります。

279338.jp

lifelink-db.org

www.befrienders-jpn.org

 

このような相談窓口を利用するとき、気をつけてほしいのは、

電話がすぐにつながらないことが多いことです。

わたし自身、いろんな窓口に何度もコールしましたが、

つながるまでにかなりの時間を要しました。

そして、電話がつながらないことに絶望して、失われる命の多さを実感しました。

でも、あきらめないでください。必ずつながります。

とにかく、つながるまで、時間を置きながら何度もかけてください。

 

あと、入院中に主治医に「もしまた希死念慮が強くなったら?」と

相談したときには、「何もせず、じっとしていること」を言われました。

希死念慮は数日~1週間程度で消えます。

何か月も続くことはありません。

だから、もし自殺を実行しそうという危険を感じたら、

自分の手足を縛ってでも、動かないでいてください。

 

最後に。

もし、あなたの身近な人がうつ病で自殺してしまったとき。

自分を責めないでください。

カウンセラーさんが言っていました。「それは病死です」

わたしもその通りだと思います。うつ病の症状で死んでしまったのです。

だから、特別な死ととらえず、遺族としてできることをしてあげてください。

 

大事なことなので、何度も書きます。

死にたい気持ちは症状です。あなたの本心ではありません。

 


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