うつ病のわたしからあなたへ 心レター

うつ病の療養から見えてきたこと、心の病を抱える方やご家族に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。特に、精神疾患での労災について、詳しく説明します。

うつ病労災再審査請求 取消決定の詳細

こんにちは、あやです。

前回の記事で、取り急ぎ再審査請求が勝利に終わったことを

報告しましたが、今日はその詳細について書こうと思います。

ちょっとややこしいですが、私のケースは非常に稀なので、

今後誰かのお役に立つかもしれないという思いで記しておきます。

 

1.争点

再審査請求の争点は、審査請求のときと同じです。

つまり、平成27年12月末に、私のうつ病寛解していたか否かです。

なんでこんなことになったか、改めて説明しておくと、

労災申請のとき、労基署から当時の主治医に書面による照会があり、

寛解の時期があれば記入してください」という欄に

主治医が平成27年末を含む時期を記入したためです。

この「寛解」の解釈が、医師と労災実務において違っているのです。

主治医は、「最悪の時期を脱して、少しましになっていた」程度に解釈したのだと

思いますが、労災においては「治癒」ととられてしまいます。

 

2.こちらの主張

私としては、平成27年末で寛解=休業補償不支給という判断は

事実と違うという主張です。

平成27年というと、私が休職した年です。4月から休職して、今に至るまで

療養しているのに、平成28年1月以降は私病扱いになるのは、

とうてい納得できません。

でも、主張には根拠が必要です。審査請求のときには、当時の日記などを

提出しましたが、今回は主治医でない別の医師に意見書を作成してもらいました。

また、当時の主治医も、傷病手当の申請書には休業を要する旨を記載していますので、

そちらの方が正しいというのも根拠として挙げました。

 

3.労働保険審査会の判断

審査会としては、やはり原則に忠実に「治癒」の定義をしています。

つまり、「症状固定とは、医療効果が期待できなくなった場合であり、

この場合だと、就労可能な状態でなくとも、治癒の状態にある場合もある」

しかし、一方では「治療により精神障害の症状が現れなくなり、

通常の就労が可能であれば治癒と考えて良い」とされています。

 

そういう意味で、認定基準には矛盾があるわけです。

ただし、この認定基準に照らすと、「寛解」とは単に症状が安定しているという

状態に留まらず、相当程度軽減したことが条件となる、というのが

審査会の判断です。

「通常の就労」とは、8時間の勤務に就くことができるという意味なので、

普通に働ける状態でないと、「寛解」には当たらないということです。

 

この基準に照らせば、平成27年末当時の私の状況は、

労災における「治癒」でも「寛解」でもないということで、

労基署の判断は誤りであるという結論でした。

 

私のケースは、うつ病が休業の途中で寛解(治癒)していたか否かを争う

おそらく初めてのケースなので、審査会としても、今後の労災実務に影響が

あるものとして、慎重に判断したと思われます。

 

めでたしめでたし!ではありますが、

実は採決が出た後も、いろんな手続きが必要でした。

それについても、今後書いていこうと思います。

ほんとに面倒でした!不安になることも多々ありましたが、

とりあえず現時点では、今年の7月末分までの休業補償が振り込まれています。

 

労災申請や審査請求、再審査請求を考えている人の参考になりますように!


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