こんにちは。あやです。
私のブログで、これまでに一番読まれている記事はこちらです。
多分、労災申請についての情報を求めて検索して、
こちらの記事にたどり着いた方が多いと思います。
そこで、がんばってその2を書いてみることにしました。
大事な情報をまとめてみようと思います。
解説します。
精神障害の労災認定要件と対象となる病気
まず、ご自身のかかっている病気が、労災の対象になるか確認してください。
対象になる病気は、以下の通りです。
つまり、発病と業務に因果関係があると、証明する必要があります。
業務以外の原因、つまり普段からアルコールを濫用している、
今回が初めての発病ではない、プライベートで強いストレスがあったなどだと、
労災認定されることはほぼ不可能です。
業務による強い心理的負荷とは
では、実際に、業務による強い心理的負荷=ストレスとは
どのようなものとされているのでしょう。
労災認定の実務では、2つに分けて考えられています。
1.「特別な出来事」があった場合
「特別な出来事」とは、極度のストレスにさらされた場合を指します。
具体的には、以下のとおりです。
- 業務中に、生死にかかわるような病気やけがをした
- もはや仕事ができなくなるほどの後遺症が残るような病気やけがをした
- 業務関係で、故意にではなく、他者を死なせてしまった
- 業務関係で、故意にではなく、他者に生死にかかわるようなけがをさせた
- 仕事関係の人に強姦された
- 仕事関係の人からひどいわいせつ行為を受けた(セクシュアルハラスメント)
- 発病前の1か月に160時間を超えるか、またはそれ同等の残業をした
かなりハードな事例が並んでいます。これらの出来事が認められると、
いわゆる「一発労災」となります。
特に多いのが、長時間労働だと思います。
この場合は、発病直前の月に160時間前後の残業をしたことを証明する必要があります。
または、発症直前の3週間に120時間以上の残業をした場合も、
「特別な出来事」として認められます。
労務管理がろくに行われていない職場であれば、
労基署が職場に資料を提出するように求めても、証明されない可能性があります。
職場のPCのログや、自分の手帳や日記、SNSで「やっと帰る」などの呟きをした
時間など、自分で集められる証拠を用意しましょう。
2.「特別な出来事」に該当することがない場合
1に挙げたほどの極端な出来事がなかった場合は、
「業務による心理的負荷評価表」を参照することになります。
私の場合も、精神科の初診直前の1ヶ月は160時間程度の残業がなかったので、
この表に沿って労災申請することになりました。
ちょっと話が逸れますが、初診日というのがとても大事なのです。
いつ発症したかの目安になってきます。
けがによる労災なら、何月何日にけがをしたとはっきりわかりますが、
精神疾患の場合は、発症日が特定できないので、
初診日を目安に、そこから6ヶ月前の状態を調べることになります。
もし私が最初から労災申請するつもりなら、
月に160時間残業した次の月に精神科に行ったと思います。
そんなことは最初わからないわけで、たまたま受診した月の前月に
160時間の残業がなかったのは残念だったな〜!と思いました。
他の月なら一発労災だったのに!
さて、表には、さまざまな出来事が、心理的負荷の原因として挙げられています。
それらをもとに、労基署では「強」「中」「弱」と
心理的負荷の程度を判断します。
「強」の出来事+「中」または「弱」の出来事は強として、
「中」の出来事+「中」の出来事は強または中として、
総合的に判断されます。
心理的負荷が「強」になる代表例は、
「会社の経営に影響を及ぼすほどの重大な仕事上のミスをし、
事後対応にも当たった」です。
ペナルティを課された、ミスにより人間関係が悪化したなども
「強」になる可能性が大きいです。
あるいは、「退職を強要された」「ひどい嫌がらせ、いじめ、暴行を受けた」も
「強」として判断されます。
いわゆるパワハラなどがこれに当たります。
私の場合は、「新規事業の担当になった」+「仕事内容・仕事量の大きな変化があった」
+「自分の昇進」という3つの出来事で評価されました。
それに加え、これらの出来事の後に70時間以上の残業があったことで、
総合評価が「強」となり、労災認定に至ったわけです。
この表による労災申請は、はっきり言って難しいです。
ご自身で申請するのは大変なので、ぜひ社労士さんや弁護士さんに
協力してもらってください。
ただし、証拠集めは自分で行うことになります。
表をご覧になって、ご自身の身に起こった出来事に当てはまりそうなものを
見つけ、それを裏付ける資料を集めておいてください。
業務以外で大きなストレスがなかったか
業務上での労災であると認定されるには、
うつ病などの発症する前のおおむね6ヶ月以内に、
プライベートでの大きなストレスがなかったことも重要なポイントです。
プライベートでの大きなストレスとは、例えばこのようなものです。
・本人の離婚や別居
・自分が重い病気になったり、ケガ、流産をした
・配偶者や子ども、親兄弟が死亡した
・配偶者や子どもが重い病気やケガをした
・親類の誰かが、社会的にまずいことをした
・多額の財産を損失した、突然の大きな支出があった
・天災や火災などにあった、犯罪に巻き込まれた
これらが心理的負荷が「強」となる例ですが、
他にも中程度や弱に当てはまる例がありますので、
複数当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
上に挙げたような重大な出来事が、
発症前の6か月以内にあった場合、
業務上の病気であることを証明するのは
かなり困難になるでしょう。
もし、運悪くこのような出来事があった方は、
一度弁護士さんに相談してみることをお勧めします。