うつ病のわたしからあなたへ 心レター

うつ病の療養から見えてきたこと、心の病を抱える方やご家族に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。特に、精神疾患での労災について、詳しく説明します。

うつ病で労災申請を考えている方へ

こんにちは。あやです。

前回の更新から時間がたってしまいましたが、

皆さんお元気ですか?

大雨の災害にあわれた方はいませんか?

私も西日本出身なので、他人事とは思えません。

被災された方が、1日でも早く元の生活に戻れるよう祈っています。

 

さて、今日はちょっとがんばって労災申請について書こうと思います。

うつ病をはじめとする精神障害の労災申請はハードルが高いと言われていますが、

厚生労働省の統計によると、年々申請件数も増え、

それに伴って認定件数もわずかながら増えています。

平成29年度の申請件数は1732件、認定件数は506件です。

この数字を見ると、やはり認定のハードルは高いと言わざるを得ません。

でも、私はこの506件の中に入っています。

少しでも皆さんのお役に立てるよう、私の経験から得たノウハウを書きます。

※セクハラ、パワハラ案件ではなく、長時間労働と精神的負荷についてです。

 

 1.証拠の保全が大事

労災の審査では、客観性が重視されます。

いくら申請者が「こんなに大変だったんです!」と泣いても

証拠がなければ審査官はどうしようもありません。

客観的な証拠を用意しましょう。

 

  •  出勤、退勤時間がわかるもの(メモでも可)
  • 残業時間が反映された給与明細
  • 精神的負荷となった出来事の時系列がわかるもの(業務上のメールなど)
  • 会社の就労規則

 

これらは必ず必要です。

在職中の方であれば、勤怠管理をこっそり入手しましょう。

また、業務上の負荷の証拠となるメールなど、自宅PCにバンバン転送しておきましょう。

仕事上作成した資料など、とても大変だった仕事の証拠は

自宅に持ち帰りましょう。

 

私は、労災申請前に休職、退職したのですが、

退職する月にデスクの片づけをするために3回職場に行きました。

休職するときは、数か月後に復帰できると思っていたので、

デスクは働いていた時のままだったのです。

片づけと称して、証拠集めをじゃんじゃんしました。

 

関係ありそうなメールの転送、資料の山の持ち帰り(宅配しました)。

実際、持ち帰った資料はあまり使いませんでしたが、
証拠になりそうなものは、できる限りかき集めましょう。

 

2.専門家を探す

私の場合、いわゆる「一発労災」と言われる100時間以上の残業が

初診前の6か月になかったので、「精神的負荷」が争点となるケースでした。

自分では、申請したら絶対認定される!と思っていましたが、

書類の書きぶりなどに自信がなかったし、体調的にも自分でやるのは

無理だと思ったので、社労士さんを探しました。

 

そういう知り合いがいなかったので、まずはネットで探しました。

うつ病 労災申請」などのワードで検索すると、

精神障害の労災専門」をうたう事務所がヒットしました。

ホームページを見る限り、なかなか良さそうだと思って

問い合わせメールをフォームから送ってみました。

なぜ労災に当たるかを自分なりに説明してみましたが、

「もっと詳しく。時系列の資料を作って」と返信がきました。

そこで、資料を作って送りましたが、返事は「難しい」。

なぜ? でも、難しいと言っている人にやってもらっても無駄でしょう。

そこはあきらめて、別の社労士さんを探しました。

 

その方は、ブログに精神障害の労災について書いていたので、

詳しいのではないかと思い、障害年金の申請と併せて労災もやってもらえないか

相談しました。

では一度お会いしましょうということで、私は指定された事務所に行きました。

そこで、障害年金に必要なことを質問され、病歴を話し、

労災についても質問してみました。

答えは「100時間超の長時間労働案件しか経験がない」でした。

そして、やはり私のケースは「難しい」と言われました。

その方には、とりあえず年金の申請だけをお願いして終わりました。

(ちなみに、障害等級も私は2級だと思っていましたが、

「この事務所まで来られたので」と3級狙いの申請にされました。

しんどいのをがまんして、やっとの思いで電車に乗ったのに……と

返す言葉もありませんでした)

 

さあ、困りました。弁護士さんという手もあるけど、費用が高いし……..。

そこで、市がやっている社労士無料相談というのに行ってみました。

今までにこしらえた資料などを持参して、窓口に行きました。

数人の社労士さんがおられて、親身に話を聞いてくれましたが、

労災に詳しい人がいませんでした。

1人の方がその場で労災に詳しい社労士さんに電話してくださり、

私に電話番号を教えて、この人に相談してと言ってくれました。

 

一縷の望みを抱いて、帰宅後さっそく電話してみました。

すると……「真面目に働いただけと判断されるでしょうね」という答え!

ちょっと待ってくれよ! いくら何でもそれはひどい!

もちろん、こんな人に依頼するのはやめました。

 

専門家が誰も受任してくれない……。もう自分でやるしかないのか……。

そこで、知っている方は知っているでしょうが、「精神障害の労災マニュアル」を

有料でダウンロードさせてくれる社労士さんのサイトで、それを買いました。

しかし内容は、単に労基署でも配られている「精神障害の労災認定について」という

パンフレットの内容を若干補足した程度にすぎませんでした。

ほぼ、何の役にも立ちません。

 

もういや!でもあきらめたくない!

最後の望みをかけて、「東京社労士会」のサイトに行きました。

そこで、労働問題に詳しい人、とフィルターをかけて探すと、

ある社労士さんがヒットしました。

その方のホームページから、問い合わせメールを送ると、

一度会ってお話をというお返事でした。

どこかに出かけることで、症状が軽いと見られるのを避けるため、

私の最寄り駅まで来てもらうことにしました。

 

そして、やっと救世主に出会えたのです……!

静かな喫茶店に社労士さんを案内し、なぜ労災と思うかの概要を話しました。

今まで何人にも断られたことも。

この人は、どんな返事をするんだろうと不安でしたが、

一生懸命説明しました。

社労士さんからいくつか質問もされました。

そして、「受任していただけますか?」と聞いたら

「こういうケースは経験がないけれど、やりましょう」と!

どれだけ救われたか……!

 

そういうわけで、社労士さんを探す時のポイントは

 

  • 一発労災なら、労災やりますと言っている人は引き受ける
  • そうでないなら、地元の社労士会から探す

 

ということになります。

私は社労士探しだけで、かなり消耗しました。

皆さんが、なるべく最短距離でたどりつけますように!

 

注意事項

労災は、つらかった仕事の記憶を何度も思い出す作業です。

もしあなたが急性期なら、症状が落ち着くまで待ったほうがいいです。

私は、休職から申請まで2年以上かかりました。

休職当初よりうつ病は改善していましたが、かなりきつい作業で、

症状がぶり返したりしました。

病状との折り合いをつけて、申請するようにしてください。

 

 


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