うつ病のわたしからあなたへ 心レター

うつ病の療養から見えてきたこと、心の病を抱える方やご家族に役立つ情報をシェアしていきたいと思います。特に、精神疾患での労災について、詳しく説明します。

うつ病 労災再審査請求 結果が厚労省HPに載りました

こんにちは、あやです。

12月になったというのに、

妙に暖かい日が続いていますね。

季節の変わり目はいつ終わるんだ?という感じなので、

体調が不安定な方もいらっしゃると思います。

ゆっくり休養をとってくださいね!

 

さて、労災の再審査請求につきまして、

厚生労働省のHPに事例の一覧が載っているページがあります。

こちらです。

裁決事案一覧|厚生労働省

大変わかりづらい場所にありますが、

私自身、再審査請求をする前に

ここで過去の事例を調べていました。

 

自分の事例がこのページに載るのを

ずっと待っていました。

コロナ禍で、厚生労働省もそちらの情報を

優先的に更新しなければいけなかったでしょうから、

この裁定事案一覧の更新がとどこおっているようでした。

現在、令和5年ですが、ようやく令和2年分までが

掲載されています。

 

なぜ掲載を待っていたかというと、

私がこのブログで書いている情報が

必要な方に知れ渡っているとは考えづらく、

同じような事案で困っている方が

いくらかでも見つけやすくなってほしかったからです。

 

ただ、私の事例はかなり特殊で、

労災認定はされたものの、

休業の途中で「治った」と見なされたという内容です。

再審査請求をするかどうか迷ったとき、

この裁定事案一覧を調べてみましたが、

同じケースはありませんでした。

 

裁定事案は平成26年分から掲載されていますので、

少なくともそれ以降、私のケースは初となるものだと思っていました。

 

しかしです。

何と、今回の更新で、私と同じような事例が

もう1件、しかもほぼ同時期に発生していたことがわかりました!

びっくり!

治ゆ(症状固定)認定(令和2年裁決)|厚生労働省

裁定事案は、ケース別に分類されていまして、

私のような「治ったか、治っていないか」を争う場合は

上記の「治癒関係」の項に掲載されます。

 

こちらのページの3番の事例で、

私と同じように、まさにうつ病が治っていたか、いないかが

争点になっています。

事件番号をクリックすると、裁定書の概要がPDFで表示されますが、

正直、意味のわかる方は少ないと思います。

なにせ、読みにくいんです! お役所の文書ってわかりづらい!

再審査請求を経験した私ですら、

数年経った今では初読だと「???」でした。

 

がんばって解読して解説しますと、

この3番の請求人の方は

2006年5月ごろにうつ病を発症しています。

初診は6月で、おそらくその時点でお仕事をお休みされたと思われます。

 

そこで、2006年6月から2017年5月半ばまでの

休業補償を請求されています。

請求したのが2018年になってからとのことなので、

退職されたか、転職されたかのいずれかでしょう。

(医療費に関しては、ちょっと謎のタイミングで請求しています)

 

この労災申請に対して、労基署が出した結果が、

うつ病は労災認定としながらも、

2010年夏ごろには、うつ病は治っていたはずというものです。

根拠はカルテだそうです。

要するに、労基署のほうで勝手に治った判定をしたわけですね。

このあたりは、私のケースと似ています。

 

この方の場合は、主治医がそれぞれ意見書を出してくれたようです。

病院は3回ほど変わっていますが、

おそらく審査請求、再審査請求と、それぞれ当時の主治医に

お願いして、医療的見解をまとめて

証拠にしていると見られます。

 

そして、結果は時効分を除いて、

請求人の主張が認められています。

時効を考慮されるのは厳しいなあと感じますが、

この方の場合は、けっこう時間が経ってからの請求なので、

そのあたりが影響したのかもしれません。

この方の裁定結果は、2020年3月18日付となっています。

 

私の裁定結果は、同年3月30日です。

上記リンク先ページでは、6番目の裁定事例として掲載されています。

同じ3月に結果が出る治癒関係の再審査請求で、

非常に稀なケースが2件続いたことになりますね。びっくりです。

 

掲載されたPDFでは「略」となっている部分がいくつかありますので、

こちらでざっくりと追記しておきます。

 

第3 当事者の主張の要旨

1ではこちらの主張、2では労基署側の主張がまとめられています。

要するに、こちらは証拠にもとづいて労基署の判断は誤りであると述べ、

労基署側は間違っていませんということが書いてあります。

 

第5 審査資料

これは、裁定書原本でも、「別紙記載のとおり」となっています。

別紙に、双方の出した資料が一覧となっています。

 

第6 理由

1の前提事実が略となっています。

これは、審査請求の結果として出された「決定書」からの

引用となっていました。

最初に労基署が下した判断の記載です。

 

実際の裁定書には、もちろん請求人の氏名や職場の名称、

病院や医師の名前が実名で表記されています。

厚生労働省のHPには、個人情報が特定できないように

アルファベットに変えて掲載されていますね。

頭文字ではなくて、出てくる順にAから振り当ててあります。

 

私のものと、3番さんの裁定書、どちらも治癒や寛解についての

労働保険審査会の見解は統一されています。

文言も同じです。

この2ケースが、今後の労災実務において、

治癒や寛解を判断する基準になると思われます。

 

どちらも、労基署がろくに調査をせずに、

カルテなどから「調子が良くなっている」というような

記載を拾って、それをもって勝手に

「治った」と判断してしまったケースです。

審査会としては、「治ったかどうかは、医学的見地から

しっかり精査するように」とメッセージを送ったことになります。

 

ほんとにね、こっちはめちゃくちゃ困るんですよ。

きちんと休んで、治療に専念したいのに、

再審査請求までやるハメになって、

結局労災で3年も費やしたんです。

休めなんかしませんよ。

最初の1年は、労災申請したこちらもわかっていた負担ですが、

あとの2年は、はっきり言って大迷惑。

最初にきちんと裁定しておけば、

それで済んだわけです。

弁護士費用とかも返してくれる?と言いたいところですが、

これ以上のもめごとはごめんなので、黙ってますけどね。

 

ともかく裁定書が厚生労働省のサイトに載って、

これでようやくカタがついた感じがします。

でも、再審査請求の審査会で述べた自分の意見が

あまりに見事だったので、そのうち公開するかもしれません。

これは、裁定書には記載されていませんからね。

けっこう長いから、ある程度はカットして、

要点や論点にかかわる部分だけにしようかなと考えています。

 

労災は、当事者にならないと、なかなか関心を持ちづらい分野かもしれませんが、

困っている方は確実にいますので、

こちらの記事も誰かの参考になりますように!

 


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