こんにちは。あやです。
今国会で審議されている「働き方改革」について、
仕事でうつ病になった者として思うことを書きます。
「働き方改革」の最大の論点は、「裁量労働制の拡大」です。
裁量労働制とは、労働者が自分で仕事の進め方を決められることです。
決められた業務を行うことができれば、早く帰ってもいいなど、
普通の勤怠管理とは違う働き方ができるというものです。
その代わり、残業代は出ません。
これだけ聞くと、別に悪くないんじゃない?という印象を受ける方も
いるかもしれません。
今は専門性の高い職種などに限って導入されている裁量労働制が、
営業職などにも幅広く取り入れられるという法案が提出されています。
もしそれが現実になれば、確実に地獄です。
ただでさえ、長時間労働が常態化している職場に裁量労働制が導入されれば、
どうなるか目に見えていますね。
出退勤の労務管理は行われず、残業代は支払われない。
だけど、仕事量は減らない(増えるかも)。
そう、端的に言うと、定額働かせ放題になってしまうのです。
携帯電話のカケホーダイプランと同じです。
わたしが働いていた職場は、いわゆる第3セクターで、
自治体に代わって専門性の高い業務を行う組織でした。
そこで企画職をしていたのですが、仕事の進め方を自分で決められるという点で、
裁量労働に近いものがありました。
でも、それはただの丸投げ。
「こういう事業を目玉として打ち出したいから企画して~」
指示はこれだけ。相談相手もいません。
企画を提出して、それが予算化されれば、
「よろしく実施して~」
「1人じゃできませんよ」と言っても、「何とかして~」。
完全に丸投げ。スタッフもつきません。
おまけに「これとあれも君の仕事になったからよろしく~」と
本来業務からかけ離れた仕事まで割り振られる始末でした。
わたしは裁量労働の契約ではなかったので、
出勤時間、退勤時間(定時)も決まっていて、
しかもシフト制で早番・遅番もありました。
残業をしない日はなかったため、遅番の翌日が早番だと、
帰宅から出勤までが8時間ほどしかないこともよくありました。
(つまり、いつ寝るの?)
もし、わたしの仕事に裁量労働制がとり入れられたら…
考えるだけでもぞっとします。
仕事量が多いため(わたしは6人分の業務をこなしていました)
もちろん朝から出勤しなければいけませんし、
定時より前に帰るなど、できるはずもありません。
仮に給料が上がったとしても、残業代で稼いでいたほどには
収入は上がらないでしょう。
労務管理は一切されず、仕事量も把握されず、
長時間労働していても、「君の裁量でしょ?」と言われるのですよ。
これ、地獄以外の何物でもないでしょ?
なので、政府の掲げる「働き方改革」が実現してしまったら、
業務起因の精神疾患と過労死は絶対に増えます。
断言してもいいです。
そもそも、「働き方改革」は「一億総活躍社会」を実現するための法案です。
「一億総活躍社会」、それは「働ける年齢の者は、病気だろうと年寄りだろうと
皆働け」という意味です。
労働人口の減少からくる人手不足、GDP減少を食い止めるための政策です。
サヨクのたわ言と思いますか?
わたしは仕事が原因でうつ病を発症した人間として、
今の政府がやろうとしていることに強い危機を感じています。
働かせ放題が実現した世の中など、復帰したくもありません。
皆さんも、ご自分の仕事に当てはめて、一度考えてみてください。